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デジタル格差解消 シアトル市が40万ドル助成

シアトル市議会で8月14日、「テクノロジー・マッチング・ファンド」と呼ばれるデジタル・デバイド(格差)解消のための40万ドルの助成金予算が決議された。

同ファンドは、コンピューターやインターネットなどの情報技術へのアクセスの格差を解消する目的でシアトル市が2016年に立ち上げたデジタル・エクイティー・プロジェクトの一環。初年の2016年には、市役所のインフォメーション・テクノロジー課が中心になり、低所得家庭へ千台のコンピューター配布、市営住宅への低価格インターネット・サービス提供、グーグル社のサポートによる公共施設での無料Wi-Fiサービス提供などが行われた。

2017年からはデジタル格差の解消のための活動を続ける市内の非営利団体へ助成金を出資する形態が主になり、今年度は12団体が補助金を受ける。

補助金対象団体は、①低価格もしくは無償のブロードバンド提供、②ITリテラシー教育の実施、③低所得者層やマイノリティー層へのインターネット機器の提供、いずれかの活動を行う団体から選別される。同ファンドを通して、昨年までに、190万件以上の公共施設でのWi-Fi提供、2千9百人以上へのITリテラシー教育、千台以上の電子機器の低所得家庭への提供がなされている。シアトル市長のジェニー・ダーカン氏は、「テクノロジーへの公平なアクセスに取り組むことは、教育や職業への機会の均等につながる重要な要素」と、同市プレスリリースにコメントを寄せている。

今年度に助成金を受ける12団体には、非白人系若年層へのテクノロジー教育に取り組むコミュニティー・パッセージウェイ、インターナショナル・ディストリクトでベトナム系住民へのコンピューター貸与などを行うヘルピング・リンク、ガリフナなどのラテン系住民へテクノロジー教育と就職支援を行うガリフナ・ホヌガなどが含まれる。12団体への助成金を通じて、移民・難民・高齢者・若者・障害者など含む約8千3百人にテクノロジー関連サービスが提供される見込みだ。

(吉本なお)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。