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東日本大震災から5年 コミュニティで関連行事開催

 東日本大震災から間もなく5年が経つなか、復興の困難に直面する被災地への支援が当地から続けられている。今週から来週の週末にかけては、支援行事を含め関連イベントが各所で企画されている。  6日には被災地支援活動を続けるスマイル・フォー・ジャパンによるファンドイベントがバラードのThe Oddfellows Hallで開かれる。地元アーティストが数多く参加、サイレントオークションなどを通じて被災地への支援募金が行われる。午後3時から7時まで。  12日にはワ州日米協会が主催する震災関連行事「Shout out to Japan: Remember, Repair and Prepare」がシアトルセンター近くのテアトロ・ジンザーニで開かれる。震災関連のミュージカル上映、地元音楽関係者によるパフォーマンス、震災に関する講演、陸前高田とのスカイプ交信などが予定されている。午前10時から午後1時半まで。  13日には支援団体ソングス・オブ・ホープによる公演会「Songs of Hope: Hand in Hand – Into the Future」がレドモンド市のWillows Preparatory Schoolで開かれる。今回を集大成とするイベントでは、地元有志による合唱団が結成されており、関係者によると、子供約80人、大人は100人以上が集まり、毎週末の練習会で準備を進めている。  5歳から小学生で構成された「チルドレンズ・クワイア」は『にじ』、『一人の手』、中学生以上の「コーラス・オブ・ホープ」では『群青』、『花は咲く』の4曲を披露。当地作曲家のアン・リンクイストさんによる […]

Tacoma P3-bw

変わる仏教、震災を乗り越えるために

シンポジウムで講演した柿原開教使(左から2人目)ら関係者たち。 東日本大震災後の仏教を考えるシンポジウムが15日、ワシントン大学タコマ校で行われた。震災と仏教に関するドキュメンタリー『Buddhism After the Tsunami: the Soul of Zen』を上映し、タコマ本願寺仏教会住職の柿原興乗開教使ら4人が参加者と震災後における日本の宗教観について議論した。 ワシントン大学東アジア比較宗教学のエリック・ハマーストロム助教授は、日本における宗教は、一部が信仰ではなく習慣になることが多いと指摘する。マイナスなイメージを持たれることが多く、憲法が掲げる政教分離のほか、約20年前にオウム真理教が起こした地下鉄サリン事件の影響も大きいと語る。 一方、東日本大震災によって、仏教は法話を聞くだけというものから、辛い時分を乗り越えるための宗教として大きく変化しているという。 ドキュメンタリー内では、ある住職が仏教が被災者の心の支えになっていると指摘している。犠牲者やその家族のために経を唱え、祈る。安らぎを得てもらうため、海でカフェを開き、電話相談を通じて被災者の話を聴くなどの試みも始められたという。 タコマ仏教会の柿原興乗開教使は、「この世のすべてのものははかなくなってしまうという諸行無常という言葉があるように、仏教は死について語ることをためらわない宗教です。震災で死をより身近に感じた人々にとって、仏教は死を語る宗教としての役割があるのでしょう」と語る。 別の関係者はまた、津波や原発などの震災による市民や自治体の傷はいまだ多くが癒えないが、そうした苦しみを前にした宗教のあり方も問われていると話した。 (記事・写真=  矢崎 日子)