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第20回被爆者健診 医師団シアトル訪問 2年に1度、日本語健康チェック

October 13, 2015 The North American Post Staff 0

被爆者健診のためシアトルを訪れた、広島、長崎の医療関係者 広島や長崎の医師団による被爆者健診が9月19日と20日にビーコンヒルのパシフィック・メディカルセンター(PMC)で行われた。懐かしい郷土話などを通じながら被爆者の海外生活の様子を追った。  2年に1度開かれる健診は、1977年にキング郡健康局、PMC、日系関係者らボランティアの協力もあり始まり今年で20回目を迎えた。広島、長崎から医師5人と県庁関係者が訪問。内科医3人、外科医1人、産婦人科医1人の医師が受診にあたった。  医師団はシアトル訪問前にサンフランシスコで被爆者約90人を受診。別グループはハワイとロサンゼルスを訪れている。別の隔年では南米を訪問する。  団長を務める広島県医師会の桑原正雄副会長は、「地元の協力、ボランティアサポートもあり、よく続いていると思います」と語る。健康状態や専門用語を日本語で説明、日本医療の現状などを詳しく紹介できる「2年に1度の定期健診」として、「楽しみに来られている」受診者は多いという。  一方、原爆投下から70年が経ち、当地での受診者の平均年齢は約80歳。PMDによると、今年はシアトル地域で約30人、カナダのバンクーバー地域から約10人の受診者が期待されたが、20日正午前の段階で受診者数は20人強。体調や都合もあり、訪問がかなわなかった関係者もいるという。  桑原団長は今回の健診を通じ、「(被爆)一世がまだまだ元気なうちはまだまだ続けなければならない」と強い思いを明かす。「1人でもいる限りは我々も訪問したいと考えています」  被爆者や受診対象者には事前に連絡が届けられるが、すべてに伝わっていない可能性もあるという。「できるだけ多くに参加してもらえるように」今後も情報発信の環境を向上に努める意向を見せている。 (記事・写真 =   佐々木 志峰)

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JSSNが発信する福祉、医療情報 第47回シアトルのホームヘルスケア前編 医療専門家チームでの在宅サービス

アメリカにあるさまざまな医療サービスの中に、医療保険で在宅サービスを受けることができるホームヘルスケアというものがあります。今回はキング郡のホームヘルスケアの仕組みについて、メディカルソーシャルワーカーとして勤務する上田大二郎さんにお話を伺いました。 60日以内のサービスについて ホームヘルスケアとは、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語療法士(ST)、ソーシャルワーカー、バスエイドと様々な職業チームからなる医療在宅サービスです。メディケアをはじめ、ほとんどの医療保険にこのサービスは含まれています。医師が疾患治療に必要であると判断し、その患者さんが疾患により滞在先から外出することが非常に困難な場合、また相当な努力を要する場合という条件が前提になります。 メディケアや多数の医療保険ではこのホームヘルスケアは100%費用がカバーされています。Copaymentがゼロということです。 患者さんの種類は疾患の種類も含め様々ですが、大きく分けると整形外科系の手術後の在宅リハビリ、うっ血性心不全や肺炎などの理由で短期間入院して体力がきわめて低下した場合、癌治療で化学療法や放射線治療で体力が低下している場合、長期間の施設での療養により床擦れがある、または外傷があり自宅療法を選択した場合、また新たな慢性疾患などで食生活から投薬治療の管理を医師が看護師の家庭でのトレーニング・モニタリングを必要だと判断した場合など様々です。 このサービスは基本的にはメディケアでも医療保険でも通常60日という限られた期間になります。60日以内であっても、患者さんが外来治療に参加できるように回復した場合、頻繁に外出できるようになった(している)場合、リハビリ治療をしても今後回復の見込みがない場合はこのサービスをメディケアを含む医療保険のほうで打切るという場合もあります。 注意してほしいのは、このサービスはホームケアエイドのような、日常のアクティビティーの補助(ベッドから起上る、服の着替えの手伝い、料理の準備、買い物など)ではありません。ただ、バスエイドによってシャワーを浴びる場合の補助は医師の承諾により期間限定で受けられる場合があります。 医療スタッフの役割 看護師は床擦れ、外傷や手術後の縫合の手当て、新たな投薬治療や慢性疾患への対応の教育、うっ血性心不全の投薬治療での血液レベル検査などです。理学療法士は、入院や施設でのリハビリ期間を経たが依然体力低下の回復のための在宅リハビリや、体力低下に伴い必要な補助器具の購入手配サービスになります。作業療法士は、疾患により体が不自由になった状態で日常生活を送るにあたり患者さんの住居環境に応じてどのように対応するか、またその補助器具の手配を補佐します。また、言語療法士は脳卒中などで言語使用が不自由になったり、認知力のテスト、吞みこむ能力のテストなどを行い、記憶力の低下をどのように補うようにできるかのトレーニングも提供します。 私のソーシャルワーカーの仕事は主に、慢性疾患や在宅リハビリ終了後に新たに患者さんの必要な項目を汲出して、利用可能なサービスの情報、たとえば週に数回有料のホームケアエイド(日常生活の補佐をするヘルパーさん)の情報を提供したり、車の運転や公共交通機関の利用が一時的もしくは恒常的にできなくなった場合の交通機関のサービス情報、体の不自由が深刻になり自宅での生活が難しくなった場合のケア施設のサービスの違い、施設のリストなどを提供します。 また、患者ご本人が不自由になった体に対応するのが精神的に困難を要していたり、家族が患者さんの世話をする必要が増大し体力的にも精神的にも参ってしまっている場合のサポート情報も提供します。 このサービスを利用しているにもかかわらず、病気の悪化や回復がうまくいかず入退院を繰り返している患者さんや末期症状でホームヘルスケアサービスよりもホスピスケアのほうがより患者さんや家族の助けになる場合などは、ケア施設の説明やホスピスケアの説明やそのサービスへの仲介なども行います。 在宅でリハビリ治療を受けるということ よく、このサービスを受ける患者さんからでてくる不満で、色々な職種の人たちが自宅に入替り立代りやってくるというものがあります。実際に1日に複数の職種のメンバーが訪問して在宅リハビリ治療が行われることはよくあります。 実は患者さんが施設でのリハビリではなく在宅のリハビリを選択した時点で、リハビリ目的のためには仕方がないのです。ナーシングホームなどのリハビリ施設では、1日の中で看護師が採血して投薬の血液レベルを確認したり、理学療法士が体力の回復に努める運動、そして作業療法士は日常の必要な作業を体が不自由な中でどのように行うかという治療を行うことが通常であり、在宅リハビリを選択したからといって、治療に必要な作業の項目には変わりがないからです。 このように医師が治療・リハビリが必要と判断し、外出能力が悉く低下しているが自宅での治療を希望する患者さんには非常に便利なサービスです。また、医療機関にも患者さんにもあまり知られていないサービスでもあり、医療保険も確認が必要ですが100%カバーしているところも多いので、退院時、もしくは施設から自宅へ帰るときに自宅でのリハビリ治療を希望する場合は、担当の医師にホームヘルスサービスに興味があったらぜひその旨を医師と相談してみてください。 次回は、60日以降のサービスについて紹介します。 【上田大二郎】 ワシントン州認定ソーシャルワーカーならびに高齢者メンタルヘルススペシャリスト。キング郡プロビデンスホームヘルスのメディカルソーシャルワーカー。