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細田あずみさん講演 ろう染伝統文化紹介

October 17, 2016 The North American Post Staff 0

シアトル・アジア美術館が行う講演シリーズで15日、ろう染作家の細田あずみさんが自身の作品とともに日本の染めの伝統文化を紹介した。   当日は染めの歴史や工程を紹介。ボランティアが舞台に立ち、細田さんの作品を披露した。タコや建物など斬新なイメージを取り入れた作品に出席者は大いに興味を引かれたようだった。細田さんは、「伝統的な染めの世界では、女性作家はまだまだ少ない」と話す。長く閉塞感のあった伝統文化の世界で、着物の海外進出と合わせ、新たな可能性を模索する。  細田さんの作品は地元ギャラリーのKOBOでも展示された。  シアトル・アジア美術館は来年春から約18カ月の増設、改築工事のため閉鎖される。現在の建物は1931年にシアトル美術館として開館。同館が1991年にダウンタウンに移転後、94年にアジア美術館として開館し、現在に至る。  (記事・写真  = 佐々木 志峰)

Emil&Fumikowithstudents

『ハンナのかばん』シアトル公演 家族、希望、社会、差別 子供たち考えるきっかけに

January 30, 2016 The North American Post Staff 0

 第二次世界大戦におけるユダヤ人強制収容所のアウシュビッツに強制収容されていた少女のスーツケースをめぐる物語『ハンナのかばん』の公演が、シアトルチルドレンズ劇場で行われている。米西海岸で初めての公演となり、物語制作の中心となったホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さん、劇作家のエミル・シェラーさん、主人公ハンナさんの兄ジョージ・ブレイディさんが当地を訪れた。  日本の非営利団体「ホロコースト教育資料センター」は1998年に発足。石岡さんは、「米国やカナダとは異なる状況かもしれないですが、差別や偏見というものは日本社会に存在しています。ホロコーストを教材にして子供達が学べるものがあるのではないかと思い活動を始めました」と語る。「子供たちに自分たちの社会で起こっている差別に敏感になってほしい、寛容な社会になってほしい」という思いが強いという。  同教育資料センターに展示品として届いたハンナのスーツケース。持ち主だった13歳の少女が、どんな夢を持っていたのか、どんな家族がいたのか、スーツケースを持ちどこからどこへ送られたのか、というストーリー性を持たせることで、生きていた命を伝えるオブジェクトになればと思い調査を始めたという。  ドイツを含め欧州の国々はホロコーストに関する資料を保管し、歴史を学ぶ姿勢が整っていたという。調査を続けていくうちに、ハンナさんの兄ジョージさんに出会うことができた。  ハンナさんのストーリーに加え、一連の活動を含めて描かれた『ハンナのかばん』が出版され、続けてドキュメンタリー、映画も作成された。日本を含め、カナダ、米国でも舞台化。シアトル公演は、カナダで同作品を観劇したビラーファミリー財団のシェリー・ビラーさんの約10年にわたる尽力で実現した。  石岡さんは、ワシントン大学同窓会からもビラーさんらの推薦を受けて、特別功労賞を受賞している。今回の公演にあたり、関係者と地元小学校を訪問し啓蒙活動を行っている。  ハンナさんの兄ブレイディさんは「妹ハンナの物語を通じて、世界中の子供たちが、家族と一緒にいられることがどれほど素晴らしいか、考えるきっかけになってくれれば」と語る。脚本を手掛けたシェラーさんも、「ホロコーストの悲惨さだけではなく、その中にあったハンナという少女の希望も描かれています。ホロコーストのような差別や暴力は決して歴史の中だけの話ではなく、今もなお続いているものだと思うので、身の回りのことを考えるきっかけになれば」と続けた。  「ホロコーストに限らず、歴史の中で罪もなく奪われてしまった人々の命に思いを馳せる、そういう想像力が平和を作るのではないかと思っています。本作品が子供たちの想像力を育てる手助けになれば」と石岡さんは願う。  『ハンナのかばん』は2月7日まで公演中。詳しくはwww.sct.orgまで。  (岩崎 史香)

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山海塾シアトル公演「うむすな」、世界観を徹底

October 20, 2015 The North American Post Staff 0

写真提供 = 山海塾 ニューヨーク・タイムス紙において「最も独創的で驚くべきパフォーマンス集団の一つ」と評された、日本の舞踏パフォーマンス集団「山海塾」の公演が1日から3日まで、ワシントン大学のミーニーホールで行われた。  今回のテーマとされる「うむすな」は、「うまれた場所」を意味する。主に地・水・火・風の四元素を象徴とする4つのパートで構成され、全体的にゆっくりとした動きでパフォーマンスが展開された。  音の演出もそれに準じたものになっており、特に一つ目から二つ目の元素の切り替え場面において、突然鳴り響いた音に驚いてしまう人が多く出る程だった。舞台上には砂が散布されており、舞う砂埃がパフォーマーの動きに躍動感を与えているように見受けられた。  静から動、動から静、無音から有音などのふり幅のかなり効いたパフォーマンスに観客は終始集中して見入っていた。  1時間30分にわたって行われた公演が終了した際には、惜しみない拍手と歓声が送られ最終的にスタンディングオベーションとなっていた。  観客からの拍手に対してパフォーマー達は最後まで特徴的なゆっくりとした動きで手を振り返したりと最後までその世界観を徹底。観客たちも一際大きな盛り上がりを見せて終幕を迎えた。  山海塾は1985年に行われたシアトル公演で起きた転落事故が思い出される。しかし500人を収容できる会場はほぼ満席、当時の事故のことを知っていてもおかしくない年齢層が中心で、当時の事故が尾を引いているような印象は受けなかった。  開演されるまではざわついていた会場だが、照明が落とされたと同時に一気に静まり返るなど、大きな注目が山海塾に集まっていた。 (白波瀬 大海)