napost archive 3-3-16

あの日の北米報知 第217回

 排斥など米国社会の中で辛苦を味わった日系人には、教会をはじめ多数の親日関係者がいた。地元日系教会に携わった人々はその中心的な存在とされ、メリーノール教会に務めた故レオポルド・チバサ神父もその一人。1968年に日本政府から、日系社会への貢献を讃えられ勲章を受けている。最近始まったワ州日本文化会館のハントホテル展示会でも、収容所から戻った日系会員を出迎え、臨時住居として日系関連施設まで送迎する故人の様子が紹介されている。         (N・A・P)

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3月1日に特別表彰 マーカス・ツタカワさん 地元高校音楽団を指導

 地元ガーフィールド高校の音楽教師で日系三世のマーカス・ツタカワさんが1日、同校での交響楽団結成から30年の活動を讃えられた。  シアトル市のエド・マレー市長は同日を「マーカス・ツタカワの日」に認定。ベナロヤホールでは同日を記念し、ガーフィルド高校の交響楽団とシアトル交響楽団の共演が実現した。  ツタカワさんは1979年に音楽教師としてのキャリアを始め、85年にガーフィールド高校に着任。交響楽団を立ち上げ、数々の賞を受賞。オレゴン州グレシャムで行われるノースウエスト・オーケストラ祭では、過去15年で13度、最優秀楽団に選ばれている。海外公演をはじめ、音楽交流にも積極的で、日本では93、2000、03、05、08年にツアーを実施している。  芸術家ジョージ・ツタカワさんの息子で、きょうだいのジェラードさん、マユミさん、ディームスさんも芸術、音楽界で活躍している。 (N・A・P)

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東日本大震災から5年 コミュニティで関連行事開催

 東日本大震災から間もなく5年が経つなか、復興の困難に直面する被災地への支援が当地から続けられている。今週から来週の週末にかけては、支援行事を含め関連イベントが各所で企画されている。  6日には被災地支援活動を続けるスマイル・フォー・ジャパンによるファンドイベントがバラードのThe Oddfellows Hallで開かれる。地元アーティストが数多く参加、サイレントオークションなどを通じて被災地への支援募金が行われる。午後3時から7時まで。  12日にはワ州日米協会が主催する震災関連行事「Shout out to Japan: Remember, Repair and Prepare」がシアトルセンター近くのテアトロ・ジンザーニで開かれる。震災関連のミュージカル上映、地元音楽関係者によるパフォーマンス、震災に関する講演、陸前高田とのスカイプ交信などが予定されている。午前10時から午後1時半まで。  13日には支援団体ソングス・オブ・ホープによる公演会「Songs of Hope: Hand in Hand – Into the Future」がレドモンド市のWillows Preparatory Schoolで開かれる。今回を集大成とするイベントでは、地元有志による合唱団が結成されており、関係者によると、子供約80人、大人は100人以上が集まり、毎週末の練習会で準備を進めている。  5歳から小学生で構成された「チルドレンズ・クワイア」は『にじ』、『一人の手』、中学生以上の「コーラス・オブ・ホープ」では『群青』、『花は咲く』の4曲を披露。当地作曲家のアン・リンクイストさんによる […]

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ジャパンフェア2016 23日に説明会実施 秋祭りに代わり開催

 当地恒例の日本祭としてイーストサイドで18年間開かれてきた秋祭りが、新しくジャパンフェアに引き継がれ、9月3、4日にベルビュー市メイデンバウワー・センターホールで開催されることが発表された。  イベント参加やブース募集を兼ねた説明会が23日、午後6時からベルビュー・チルドレンズ・アカデミー(14640 NE 24th St., Bellevue)で開かれる。詳しくはinfo@japanfairus.org、ジャパンフェア実行委員会まで。  イーストサイド日本祭の会運営の秋祭りは、1997年まで9年間続いた「ジャパンウィーク」の開催中止をきっかけに始まった。地元有志による毎年秋の一大文化行事としてベルビューカレッジで賑わいを見せてきた。  (N・A・P)

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鹿児島の茶葉をPR 米穀倉庫から即日配送

かなめレストランで紹介された鹿児島の茶葉  鹿児島県産茶葉のPRを兼ねた緑茶試飲会が1月28日、インターナショナル・ディストリクトのかなめレストランで開かれた。鹿児島から志布志市の本田修一市長や同県茶業者らが訪れ14種類の茶葉を用意。日本茶に関わるビジネス関係者や大村昌弘総領事が参加した。  日本茶の生産量は近い将来鹿児島県が、静岡県を抜いて第一位となることが予測されている。2014年時点で、茶葉の生産量第一位の自治体に鹿児島県南九州市が選ばれている。日本の農林水産省が提供する生産量推移統計では、静岡県の生産量が徐々に減少しているのに対し、鹿児島県は安定している。  今回茶葉を提供した鹿児島茶輸出研究所の原口澄夫社長は、「日本国内においてお茶の生産量は供給過多となっている」と語り、海外展開を視野に活路を求めている。北米各地に注文翌日に発送できるようにカリフォルニアに倉庫も構えた。  同研究所を立ち上げて8カ月で、「やってみなければわからない」と話す。鹿児島茶の海外浸透の可能性については未知数な部分も多く、また海外に倉庫を持つことでロスが出やすいというリスクも抱える。  一方、スターバックス社と提携交渉段階にあり、イベント当日も同社に加え、傘下の茶専門店「ティーバナ」の関係者が出席。鹿児島県産茶葉の海外展開へ向け着実な歩みを進めているようだ。 (記事・写真 = 白波瀬 大海)

一石

一石 ハントホテル

 ワシントン州日本文文化会館で始まった展示会が興味深い。「ハントホテル」と称された現会館の一時代を紹介している。  第二次世界大戦が終わり、日系人収容所が閉鎖されシアトルへ戻ってきた日系関係者。年老いた一世移民、子供を多く抱える大所帯家族など、シアトルで住居を見つけることのできない日系関係者は少なくなかった。   収容所が閉鎖される頃、日系教会関係者らが当地での日系人受け入れについて話し合い、関連施設を仮住居として提供する旨が決定された。当時の会館もその1つに割り当てられた。  戦前は国語学校(日本語学校)として、第一、第二ビル合わせて18教室があり、それぞれ部屋を区分けすることで、日系関係者の住居となった。1945年から数年がピークで、32世帯、135人以上が生活。本紙にも住居提供の広告が掲載された。  当時の会館内での生活を写した写真がほとんどないのが残念だが、それでも建物の各所から当時の様子が伝わってくる。第二ビルの道場は当時、キッチンとして利用された。熱くなった鍋を床に置き、焦げたあとが今もくっきりと残っている。曽我部アキさんが手掛けた展示アートには、床でモノポリーに興じる子供たち、西側にある広場を菜園とした住民など、当時の様子が描かれている。大勢が協力し合って生活する姿は、日系社会、また収容所で培った「共同体」の姿が見える。  一方で、支給されたベッドや家具は収容所時代と変わらず、「戦後も同じ状況にいるようだった」と振り返る二世もいる。多くの子供が自己紹介で同じ住所、居住地であることに「トラウマ」となることもあったという。当時の住居状況もあり、「再定住は強制退去と同様に厳しいものだったことが分かります」と展示会の責任者、エリサ・ロウさんは話す。  1956年、日本語学校が再開するため、ハントホテルは閉鎖へ向かう。最後は一世の独り身で健康面に難を抱えた故ウィリアム・カシヤマさんが59年、自ら命を絶ち、その時代が終わりを告げた。  そのカシヤマさん、管理者だった故三原源治さんと子供たちとの交流など、隠された温かい話も多く残る。喜怒哀楽に包まれた約15年にわたるハントホテルの歴史は、会館内で永久展示として紹介されている。一部は移動展示として各所で紹介されていくという。        (佐々木 志峰)

Uwajimaya President PR 030116

宇和島屋、三代目へ デニス・モリグチ社長就任

デニス・モリグチさん 写真提供 = 宇和島屋    宇和島屋の新社長に1日、デニス・モリグチさんが就任した。モリグチ一家の三世代目として、次世代の宇和島屋ビジネスをけん引していく。  モリグチ社長は、トミオ・モリグチ前CEO、現会長の長女。マサチューセッツ工科大学スローン・マネジメントスクールでMBAを取得。大手医療会社で管理職を務め、2013年に宇和島屋に復職した。  社長職として販売面の業務管轄を担当、会社の次世代成長、家族経営企業におけるバランス、テクノロジーや新たな管理システム導入など、多方面でリーダーシップが期待されている。  モリグチ社長は、「祖父、父、叔父、叔母が築き上げてきた宇和島屋のブランドと企業力の上に、新世代のリーダーが互いに持つ視点、テクノロジーを融合させて会社を成長させていきたい」と話している。   宇和島屋は1928年、タコマで故森口富士松さんが創業。二世代目からシアトルを拠点に大きく成長を遂げ、現在はシアトル、ベルビュー、レントン、オレゴン州ビーバートンに食品店を構えるほか、レストランへの卸会社フード・サービス・インターナショナルも運営する。  不動産面ではシアトル店の隣区画にあるパブリックス・ホテルのアパート改築、建設工事を進めている。間もなく125部屋と小売り店の入るアパートが完成する予定。  モリグチ社長の叔母にあたるトモコ・モリグチ・マツノCEOは、就任から約8年にわたり社長職を兼任してきたが、来年までに引退を予定。今後はモリグチ社長へのCEO職引継ぎも進められている。  マツノCEOは「次の世代がどのように宇和島屋のブランドと競争力を保っていくか楽しみです」と語り、若返る宇和島屋の経営体制に期待を寄せた。   (佐々木 志峰)

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鮮やかなひな祭り人形 3月3日はひな祭り

 3月3日のひな祭りを前に、日系コミュニティー各所でひな人形が飾られている。大村昌弘総領事公邸でもイベント招待客に7段からなるひな人形を披露していた(写真)。シアトルアジア美術館などでも週末に関連行事が予定されている。         (N・A・P)

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NHKワールド無料放送 3月22日から米西海岸で 増える日本を知る機会

 日本のNHKの英語版放送となるNHKワールドが米西海岸で無料放送されることが発表された。ピュージェット湾地域では、タコマを拠点とするPBS系列のKBTC局で3月22日から発信される。  NHKワールドでは、社会、政治、科学技術、文化、歴史、生活などに日本に関わる様々なニュースが24時間にわたり配信されている。衛星やケーブル回線を通じ、視聴者数は150カ国で2億9千万人に上る。  KBTCはタコマ、シアトルを中心にカナダ国境からワ州南部までサービスを展開。同地域で430万人の視聴者層を抱える。KBTCの視聴者数は現在、週間で90万人以上。  同局は今回の提携を機にNHKワールド用のチャンネル28・2を開設。コムキャストHDではチャンネル115でいずれも無料視聴が可能となる。ワ州南部のセントラリア/チェハリス地域は傘下局KCKAのチャンネル15・2となる。  同局によると、今回のサービス展開により、カナダのブリテッィシュ・コロンビアやオレゴン州まで視聴可能地域が広がるという。  NHKワールドのウェブサイトからは無料アプリ、オンラインストリーミング、ビデオなどが配信されている。  KBTC局のエド・ウルマン事務局長は、「NHKワールドは、日本と海外諸国の相互理解や友好親善、文化交流促進に大いに貢献しています」と語る。  日系人社会があり、多様なコミュニティーを持つシアトル地域で日本やアジアの話題を報じる意義も説いている。  25日にはシアトル、タコマで発表関連イベントが開かれた。同局の高雄美紀アナウンサーが出席したほか、地元文化団体の歌舞伎アカデミーが舞台に立ち、日本文化をアピールした。  日本食、文化、言語を始め、様々なニュースや話題により日本への興味が高まりを見せる中、、メディアによる「日本からの話題」の発信が本格化する意義は大きい。在シアトル日本国総領事館はじめ、地元日系関係者も「これは非常に大きな出来事」と歓迎している。  NHKワールドに関する情報は、www3.nhk.or.jp/nhkworld、KBTC局に関しては、www.kbtc.orgまで。       (N・A・P)

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あの日の北米報知 第216回 1964年2月17日号より

February 27, 2016 The North American Post Staff 0

 二世復員軍人会が主催してきた年始の恒例行事の1つに謝恩イベントがある。その発端が1964年に始まった一世ナイトで、当時約300人の一世関係者を招待し、会員家族一同でこれまでの労苦をねぎらう謝恩会を行った。記事によれば大きな反響があったとされている。一世世代も高齢者が増え、二世が日系社会の新たな担い手として活躍を見せ始めた時期でもあり、世代交代の慣例行事ともいえる。恒例文化行事とは別に三世、四世といった多世代を交えたイベントが企画された部分でも、当時は画期的だったのかもしれない。       (N・A・P)

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