シアトル図書館

様々な団体、ビジネスでリーダーシップとともに活躍を見せる三世世代。シアトル公立図書館のテレサ・フジワラ会長もその1人だ。
 コロンビアシティーの図書館近くで育った幼少時。「ロールモデル」と話す母親と毎週図書館に通った。2人で大量の本を借り、読書を楽しんだ。当時から培われた「読」の力と社会正義への認識。「最も民主的な場」と語る図書館での経験は、アジア太平洋系社会の支援団体、ACRSの発足に携わるなど、現在までのコミュニティー活動にも生きている。
 図書館は「本」以上の意味を持つという。テクノロジーが発展し、本やメディアなどを探すのは容易となった。だが「コミュニティーの集まる場」という存在で変わることはない。高齢者にはコンピューターの指導、子供にはストーリータイム、小さなビジネスを営む人々へのワークショップ、移民者への生活のすすめ――。「図書館は地域コミュニティーの鏡となり、反映されたもの」と話す。
 地元団体、機関との交流や提携も積極的に行われている。シアトル交響楽団の公開演奏、シアトル・シーホークスの地元試合ではパブリックビューイングも行った。
 フジワラ会長は2010年に理事会に選出された。会長は2年目、任期は今年までとなる。図書館の今後として、自らが思い描く企画は数多く、自身をはじめとしたマイノリティー社会の資料貯蔵もその1つだ。ワ州日本文化センターなどとも提携し、一般市民が各マイノリティーの歴史、経験に「容易にアクセスし、学ぶ機会」を増やしたいという。本についても、地元作家に焦点をあて、「コミュニティーが生んだ作家たちに誇りを持ち続けることができるようにしたい」と話す。
 現在、フジワラ会長ら役員を中心に、会員増加のキャンペーンを行っている。昨年の同時期、9月の1カ月で1万人増を達成した。今年はさらなる成果を見込んでいる。
 現在、図書館カードの所持者は37万5千人以上という。シアトル市、キング郡の人口から見た場合、この数字はどのようなものだろうか。フジワラ会長は「まだまだ少ない。シアトル市民全員にカードを持ってもらいたい」と話す。
 詳細は(206)386―4636、もしくはwww.spl.orgまで。    
(佐々木 志峰)