日系釣り愛好家の誇り 天狗クラブの記録、出版で残す 和み茶室で特別イベント開催予定

 当地日系釣り愛好家の集まり、天狗クラブの活動、鮭釣り大会の記録を記した『TENGU(天狗)』が出版された。著者は約50年にわたり会に携わってきたシアトル日系人会共同会長の田原優さん。本紙などが主催するブックイベントも和み茶室で18日を予定している。

 毎年10月から12月の日曜日早朝、エリオット湾に浮かぶ釣り船の数々。日系社会の冬の恒例行事となる天狗クラブによる黒口鮭ダービーは、毎年の優勝者に手渡される天狗の盾を目指す多くの参加者でにぎわいを見せてきた。

 第二次世界大戦前、一般の釣り大会や関連団体への参加は人種偏見などで難しい時代だった。釣りは潮干狩り、松茸狩りとともにノースウエストのアクティビティーとして欠かせない。日系移民で発足された釣りクラブは人気を呼んだ。

 第二次世界大戦では太平洋沿岸から強制退去を受けるが、戦後に要望が集まり再開。1回では足らず、2回大会を連続開催。シアトル発祥の「ムーチング」と呼ばれる釣り方で大物を目指す。現在まで続く伝統行事の基礎ができた。

 同クラブは大戦前や50、60年代に一世、二世を中心に人気を集め、本紙などでも毎週の釣果が大きく取り上げられてきた。近年は環境の変化もあり、釣果、サイズともに減少、世代を経て会員減など会の存続が危ぶまれることもあった。それでも、会員の顔ぶれを変えながら、ワシントン州で最も長く続く鮭釣り団体主催の釣り大会として、根強く親しまれ続けている。

 『天狗』では約80年わたる活動、釣り業界や社会への貢献、理解、これまでの大会の歴代優勝者、活躍者を写真ともに紹介。田原さんが歴代の会員から直接耳にし記録してきた資料を約250㌻の英語本で紹介している。

 田原さんは同書で「家族、友人だけでなくコミュニティーに天狗クラブが伝わってほしい」と紹介。初版の200部は無料。天狗クラブ関係者に贈呈後、希望者に手渡される。詳しくはtaharas@comcast.net、(206)361―2970、(206)604―2542まで。 

 またサイン会や天狗クラブの歴史紹介を兼ねたイベントを18日午後1時から和み茶室で予定している。詳細は本紙来週号で発表される見込み。

 (N・A・P)